
私は、もうすぐ50歳になりますが、20代の時と今では、不安に思う事が変わってきていると感じています。
- いつまで仕事を続けないといけないのか。
- これからも今の仕事だけで十分に「豊かで楽しい生活」をおくれるのか。
- 子供達の将来は、「豊かで楽しい生活」が出来るのか。
昔は、「仕事を完遂する事が大事な事で、仕事でみんなに迷惑をかけていないか。」を不安に思っていましたが、逆に仕事を完遂していれば、仕事をしていれば、生活や将来に不安を感じる事はありませんでした。
でも、今は仕事をがんばっても、家族や友達と楽しく過ごしていても、なぜか将来に不安を感じてしまいます。簡単に言えば、「今は楽しい、でも、将来の不安はいつも感じている。」という感じです。

将来の不安について考えてみようと思いました。そして、将来に備えようと考えました。
そんな「将来への漠然とした不安」をなぜ感じてしまうのか。
「日本人が抱える「不安」を明確にして、これからどうしたらいいか」を考えるいい機会になる本があります。
経産省の若手官僚チームが、「日本の将来像はどうあればいいのか」をまとめたファイルが「不安な個人、立ちつくす国家」です。
その内容がマンガでわかりやすく紹介されている「マンガで読む不安な個人、立ちつくす国家」をご紹介します。
こんな人におすすめ
〇将来に漠然とした「不安」を感じている人
〇子供達の将来に「不安」を感じている人
〇日本の政治のあり方に「不安」を感じている人
各年齢の人が抱える不安がわかり、これからどうしたらいいか。を考えるきっかけになると思います。
今回ご紹介する本
「不安な個人、立ちつくす国家」の内容
2017年に経産省の若手官僚チームが、日本の将来像はどうあればいいのか。をまとめたファイル「不安な個人、立ちつくす国家」がマンガで紹介されています。
その内容を元に「現役世代」「子供たち」「高齢者」等の目線で、テーマ別にマンガになっています。
子供たちの未来
まずは、子供たちの目線です。
国家は子供達よりシルバー世代に資金をつぎ込んでいるため(選挙権の問題では無いか)、子供の貧困が大きいという事。そして、経済格差は、大学進学率にも大きい影響があり、また、最終学歴が、正規、非正規、アルバイト等の職業の差に影響があるため、結局「豊かな家の子は、大学まで行って、良い職業について、貧しい家の子は、大学に行けず、正規の職業につけない」状況にある。
貧困が世代間で引き継がれてしまう「貧困が固定化」している。
現役世代の未来
20代~30代の現役世代の目線です。
「自分の力を自国のために役立てたい」という意欲がある若者は、先進国の中で多い方なのに、「自分が参加する事により、社会現象を変えられる」と考えている若者は、先進国の中で、著しく少ない。というアンケート結果があるように「社会に対する無力感が大きい」という事が考えられる。
職場への期待感も年々減少しており、結婚して子供を育てる。という生き方へ期待する人も減ってきている。
日本の「現役世代への厳しさ」が、若者の無力感を増加させている。
流動化する個人の未来
年齢を問わない「個人」としての目線です。
日本は、GDPは上がっているのに「国民生活満足度」は低下している現状により「国家の成長が、自分のものでは無い」と感じている人が多いという事。
また、インターネットにより沢山の情報が得られるようになりましたが、そのインターネットで「個人の判断や行動」が操作される危険性もあるという事。
日本は「情報に踊らされて、意思決定が極端になった場合のために、何が必要か」を考える時期にきている。
シルバー世代の未来
「高齢者」の目線です。
「高齢者=弱者」として一律に扱う事が本当に正しいのか。
「命を伸ばすために、延命治療を行う事、ほとんどの人が病院で死を迎える」ことが、本当に正しいのか。
これからは「どう生きて、どう死ぬのかを自分で選択して、死ぬ瞬間まで生きがいを感じられるような日本」にするのはどうすればいいのか。を考える時期にきている。
日本の未来
総括は、「取材をした新聞記者と経産省の若手官僚が対話をする。」という設定でまとめられています。本の内容を引用しますと
- 一律に年齢で「高齢者=弱者」とみなす社会保障をやめ、働ける限り貢献する社会へ
- 子供や教育への投資を財政における最優先課題に
- 「公」の課題を全て官で担うのではなく、意欲と能力ある個人が担い手へ 等
これからの日本のビジョンが紹介されています。
まとめ
本書を読んでまず思ったのは「かつての日本にあった人生の目指すべきモデルはもう無い」という認識をする事が大事な事だと思いました。
例えば、「結婚して、子供を育て、終身雇用で働き、老後はのんびり暮らす」というみんなが同じ生き方をするモデルケースです。
私が不安に思っていたのは、「私はそのモデルどおりにこれから生きていけるのか。」を心配していたためだと気付きました。
そして、これからの日本のビジョンは「誰かの考えに頼らず、一人一人が考えて、みんなでがんばっていく必要がある」という事が本当に良くわかりました。
本書を読んで、「私たちの未来、子供達の未来のために、まずは現実を知る」事が出来たのは、本当に良かったです。
マンガで読む「不安な個人、立ちつくす国家」は、「将来への漠然とした不安」を考えるきっかけになる本です。
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