40代、50代になると、昨日会ってた人の名前がすぐに出てこなかったり、昨日の夕食に何を食べたか、すぐに思い出せなかったり、「今までそんなことなかったのに、最近もの忘れがひどくなった。」と感じている人は少なくないと思います。
そんな「もの忘れ」が頻繁に起こると、「自分は認知症じゃないのか」と不安になる人もいらっしゃると思います。
「出来れば「認知症」には、かかりたくない。」というのが普通ではないでしょうか。
また、病気ではなくても年齢を重ねていくと、「声が聞き取りにくくなったり、若い時よりも疲れがたまりやすくなった。」と感じるようになります。
「老い」によって、「今まで出来ていたことが、出来なくなる。」と、これからの生活が不安になり、将来のことが心配になっている人もいらっしゃるかもしれません。
毎日健康に過ごしていても、「老い」や「認知症」が心配で不安を感じている人は、思ったより多いかもしれません。
今回ご紹介する本は、樋口直美さんの「「できる」と「できない」の間の人、脳は時間をさかのぼる」です。
樋口直美さんは、50歳の時に「レビー小体型認知症」と診断され、さまざまな脳機能障害、幻覚、嗅覚障害、自律神経症状を発症している人です。
本書は、「レビー小体型認知症」という「誤作動する脳」を抱えた樋口直美さんが、老い、認知症、コロナ禍と向き合い、悪戦苦闘しながら過ごしている日々を綴ったエッセイ集です。
こういう紹介をするとシリアスな感じがしますが、日々の思いが微笑ましい表現で語られていて、読むと優しい雰囲気に包まれて、フッと心が軽くなる癒しの本です。

樋口直美さんの生き方には、現代社会の課題も感じましたので、沢山の人に読んで欲しいと思いました。
こんな人におすすめ
- 昔は出来たことが、出来なくなったことに不安になっている人
- もし自分が認知症になったらどうなるか、不安になっている人
樋口直美さんの体験が多く語られていますので、読むと安心していただけると思います。
不安に思っていたのは、「自分だけじゃなかったんだ」とほっとすると思います。
また、樋口直美さんが、コロナ禍の生活で感じたことが綴られていますので、共感出来る内容も多いと思います。
今、生活に息苦しさを感じている人に、読んで欲しいと思います。
今回ご紹介する本
本の内容と感想
レビー小体型認知症の樋口直美さんの脳の困りごとと、ケアをめぐるエッセイ集です。
2020年夏、ずるずると続くコロナ禍の日常から連載が始まってます。
コロナ禍の不安な時期だからこそ、リラックスして笑って読めるようなエッセイ集にしたい。という思いで綴られています。
そんなエッセイ集だからこそ、読んだら心が軽くなって、少し元気になれます。
また、エッセイの内容は、認知症、老い、コロナ禍の話だけではありません。子育のつらかった経験や、母親との経験、孫を世話した時のバナナの話など、50代、60代の人に読んでいただくと、過ぎ去った経験を思い出せるようなエッセイもありますので、懐かしくなると思います。
- コロナ時間とできない私
- 会いたい、会いたい、会いたい。
- 形を失った時間
- ゴルゴ13とモンローの間
- 「きれい」と言われたい
- 最後に知る秘密
- バナナの教え
- 強くはなれない
- 「確かさ」のない世界
- おしゃべりな植物
- 幻視と幽霊
- 母の舌
- 死後と記憶とビンテージ
- ずぼらの達人
- 育児がつらかった頃
- 永遠の初心者
- 認知症って何なのよ
- 見えない未来を生きていく
- 終わらない私の宿題
出来ていたことが出来なくなる日は、いつかみんな経験すると思います。
今まで出来ていたのに、出来なくなる。「出来ると出来ないの間」は、迷いと不安でいっぱいになるかもしれません。
樋口直美さんは、50歳の時に突然発症した「レビー小体型認知症」で、「誤作動する脳」になったそうです。
その結果、誰よりも「出来ると出来ないの間」を経験されていると思います。
本書は、そんな不安に感じている人に「大丈夫、心配しないで、未来はきっとそんなに悪くない」というエールがまとめられています。

読むと「認知症は怖い。」という感じすら、薄れて「まぁなるようになるさ」と考えられるようになりました。
まとめ
樋口直美さんの「「できる」と「できない」の間の人、脳は時間をさかのぼる」をご紹介しています。
50歳の時に突然発症した「レビー小体型認知症」で、樋口直美さんは「誤作動する脳」になったそうです。
さまざまな脳機能障害、幻覚、嗅覚障害、自律神経症状を発症する「レビー小体型認知症」の著者が、脳の困りごとと、ケアをめぐるエッセイを綴っておられるのが、本書です。
樋口直美さんの体験が多く語られる言葉は、読むと「自分だけじゃなかったんだ」とほっとして、安心できると思います。
今、生活に息苦しさを感じている人に、読んで欲しいと思います。
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