
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」という言葉をご存知でしょうか。
「この人が嫌い」と思うと、その人のやる事なす事全てが嫌になって、何をやっていても嫌悪感を抱いてしまう。という言葉です。そして、その人が毎日顔を合わせる人だとしたら、毎日嫌な気分を抱えてしまいませんか。

そんな毎日は、ストレスが溜まってしまいますね。でも、こんな風に考えたらどうでしょうか。
悪いところをひっくり返して、良い所を探してみましょう。「嫌いな人の良い所を探す」のは、難しいと思われるかも知れませんが、「メリットとデメリットは、背中合わせ」と同じように、「嫌なところと良い所」も考え方次第です。
- 威張り屋さんだけど、仕事に対してエネルギッシュで努力家
- 怒りっぽいけど、正直者で間違えた事はしない真面目な人
「嫌い、嫌い」と思っていても、良い所を探したら、「思ったより良い人」になるかも知れません。
また、「嫌い」と思って接していると、相手からも「嫌い」で返されますが、「好き」には「好き」で返ってくるものなので、毎日の嫌な気分も無くなるかも知れません。
今回ご紹介する本は、そんな「小さな悟り」から得た「小さな答え」で、現代人の悩みを解決しよう。という本です。
冒頭にご紹介しました「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」の話もその本で紹介されています。
【現代人の悩み】
インターネットやSNSで欲しい情報を簡単に調べることが出来る現代人は、逆に溢れる情報にどっぷり浸かってしまい、何事につけて「考えすぎる」ような傾向があると思われます。
その結果、複雑に考えすぎて、悩みの深みにはまったり、迷ったりして「考え事ばかりで、行動出来ない」という悩みがあるのではないでしょうか。
今回ご紹介する「桝野俊明さん」の「小さな悟り、人生には小さな答えがあればいい」は、そんな現代人の人に「物事はなるようになるという小さな悟り」があれば、「色々考える前に、今に集中して行動できるようになれる」という「物事の捉え方」や「小さな答え」が紹介されています。

「色々な考えが頭の中で溢れそうになって、身動きが出来ない」と思った時に読んでいただくと「小さな悟り」のおかげで、スッと楽になれると思います。
こんな人におすすめ
作者の「桝野俊明さん」は、曹洞宗のご住職です。
以前読んだ「心配事の9割は起こらない」もそうですが、「禅の教え」とご自分の経験から、「穏やかな人生」にとって大事な事が紹介していますので、仕事でお悩みの人、家庭の事で悩んでいる人、老後の生活が不安な人、進路に悩んでいる人等、悩みを抱えている沢山の人におすすめしたいと思います。
(参考)「心配事の9割は起こらない」をご紹介します。
今回ご紹介する本
私は、「Amazon kindle unlimited」の読み放題で読みました。Amazon kindle unlimited会員の人、読み放題プランに興味のある人は、「Amazonで見る」からご確認ください。
本の内容
人生や生活の本質を知るための「99のヒント」が紹介されています。
そして、本書にある「小さな悟り」とは、「変化する出来事に捉われず、考え込むことなく、自然の流れのままに行動する事」と紹介されています。
- 人生に迷ったら、「無常」を生きるキーワードにする。
- 人間関係に悩んだら、禅的に「関わり方」を変えてみる。
- 仕事に困ったら、「ご縁」にしたがうと、すべてが好転する。
- 老いを感じたら、変化に逆らわない、変化を受け入れる。
- 将来が不安なら、「いま」できることだけに、集中する。

「日日是好日(毎日が良い日)」は、私が好きな言葉です。
本書でも、人生は山あり谷ありで、上手くいくこともいかないこともあると思いますが、「どんな経験もいい経験だった。」と楽な気持ちで過ごすことの大切さとして、紹介されています。
本を読んだ感想
私は、「穏やかな人生」を過ごしたい。と考えています。本書でも「日々穏やかに過ごすことが人生の目標」と紹介されていて、学ぶことが沢山ありました。
その中でいくつかご紹介したいと思います。
一瞬、一瞬を大事にする。
将来の事を考えると「今の仕事で大丈夫かな」と不安になって、今に集中できない事があるかも知れません。
でも、本書ではこんな事が紹介されています。
どう生きようと、つまるところは毎日、毎日、もっといえば一瞬、一瞬の積み重ねが人生をつくっていきます。
「一瞬、一瞬を大事にする」
いつだって、いまやるべき一つのことを大事にすればいいのです。
枡野 俊明. 小さな悟り―――人生には「小さな答え」があればいい (知的生きかた文庫) (Kindle の位置No.270-273). 三笠書房. Kindle 版.

私もこれからは、一瞬、一瞬を大事にして、シンプルに生きていこうと思います。
「脚下照顧」の大切さ
大事な仕事を任されると期待と不安から気負ってしまって、現実との乖離が大きい目標をたててしまう事もあるかも知れません。
でも、本書ではこんな事が紹介されています。
もちろん夢・目標を持つことは 大切です。ただ、それはあくまでも自分の進む方向性を見定めるためのもの。 大まかにルートをつかんだら、あとは足下を見つめて、いまやるべき ことをコツコツとやっていくのみ。
枡野 俊明. 小さな悟り―――人生には「小さな答え」があればいい (知的生きかた文庫) (Kindle の位置No.298-299). 三笠書房. Kindle 版.

「脚下照顧」
私も好きな言葉です。まず、自分の足元をよく見て、足元から目をそらさずに、一歩一歩進んでいこうと思います。
「持ちつ持たれつ」の大切さ
みなさんも子供の頃「人に迷惑をかけたらいけない」と言われませんでしたか。そして、自分の子供にも同じ事を言っていませんか。
でも、本書ではこんな事が紹介されています。
迷惑をかけないことよりも大事なのは、迷惑をかけたら、お世話になったら、そのことを感謝する気持ちを持つことです。
日常の細々としたことまで「ありがたいなぁ」と思えばこそ、「自分も誰かのためになるお世話をしてあげなくちゃ」という気持ちになれるのです。
枡野 俊明. 小さな悟り―――人生には「小さな答え」があればいい (知的生きかた文庫) (Kindle の位置No.426-427). 三笠書房. Kindle 版.

自助、共助、公助という言葉を良くニュースでも聞きます。これからは、「助け合い」と「感謝」の気持ちをもって「持ちつ持たれつ」で生きていこうと思います。
他にも「嫌な仕事も自分に回ってきたご縁と思ってやらせていただく」という気持ち。
みんなが嫌がる仕事を無視でがんばっている「縁の下の力持ち」の人は決して見捨てられない。等、沢山の「小さな悟り」「小さな答え」が紹介されています。
まとめ
本書では、日常生活の中での「気持ちの持ち方」や「物事の捉え方」等、沢山紹介されています。その中で「不安」に対する考え方も沢山紹介されていました。
その中で「一休さんが最後に弟子に遺した言葉」がとても印象的でした。
「この先、どうしても困ったことがあったら、この手紙を開けなさい」と言って託された封筒の中の言葉を聞くと、「なんとかなる」と思えます。
桝野俊明さんの「小さな悟り」は、困った時、悩んでいる時に読むと、「小さな悟り」によって、身動きが取れなくなっている自分を救い出してくれると思います。
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