ウィズコロナで生活は大きく変わりました。
「テレワークの推奨」や「会食の制限」で、家族が一緒にいる時間が増えています。
「家族が一緒にいる時間が増えている。」というのは、親子、兄弟、夫婦のコミュニケーションが増えて、学校の悩み、職場の悩みなどを話す機会が出来て、家族の仲は深まっていると思っていたのですが、現実的にはそれだけではないようです。
家族が顔を合わせる時間が増えたことで、「家族がストレス」と感じている人が増えているそうです。
家族は、一番近くにいる存在で、最も身近な存在なのに、「考えている事が理解できない」「なぜかぶつかり合ってしまう」という人は多いのではないでしょうか。
今回ご紹介する本は、黒川伊保子さんの「家族のトリセツ」です。
黒川伊保子さんは、人工知能(AI)の研究者で、37年間AIと人のインターフェースの研究をしてきた人です。
長年「人とは何か。」を研究してこられた黒川さんが、家族のイライラやすれ違いの具体例を挙げながら、そのメカニズムをわかりやすく説明されています。
そのうえで、「脳の個性」を理解しつつ、家族とうまく付き合う実践的な方法が紹介されています。

本書は、家族関係について「新しさ」と「納得感」を感じられて、沢山のことを学べました。
ウィズコロナの時代を楽しく、穏やかに過ごすために参考になる黒川伊保子さんの「家族のトリセツ」をご紹介します。
こんな人におすすめ
- 家庭でケンカが絶えない
- 家族の欠点ばかりが目に付く
- 家に居場所がない
等の家族関係にストレスを感じている人におすすめします。
また、そんなに大きなストレスは感じていない人にも、黒川伊保子さんの「脳の個性」の知識は参考になると思いますので、興味のある人には是非とも読んで欲しいです。
今回ご紹介する本
私は、「Amazon kindle unlimited」の読み放題で読みました。Amazon kindle unlimited会員の人、読み放題プランに興味のある人は、「Amazonで見る」からご確認ください。
本の内容
「家族がストレス」と感じている人に「人生のゆるめ方」が紹介されている本です。
黒川伊保子さんが人工知能の開発で気付いたのは、「ネガティブだと思っていたことのほぼすべてが、脳にとっては必要なことで、脳は、無駄なことは1秒たりともしていない。」ということだそうです。
そういう知見を踏まえて執筆されているのが「家族のトリセツ」であり、家族を優しい関係にするための1冊です。
第1章、なぜ家族にストレスを感じるのか。
第2章、「家族を甘やかす」の効用-「失敗」「弱点」「欠点」が人生を拓く鍵-
第3章、家族にこそ必要な、4つの「やってはいけない」
その1,家族に「世間」を持ち込まない
その2,失敗は責めなくていい
その3、5W1H系の質問はぶつけない
その4、相手の”時空”に踏み込まない
終章、家族の中に「優しさの泉」をつくる

家族が優しい関係になるための実践的な方法も参考になりますし、子育てに対する考え方がさらに参考になりました。読むとすぐに実践したくなる内容です。
本を読んだ感想

本書を読んで、参考になった内容を何点かご紹介したいと思います。
家族は違う脳の集まりだから、おおらかに認め合う事が大事
脳のとっさに流れる神経信号による「とっさの使い方」は、ものの見方や考え方に影響していて、それが違うと世界観ごと変わる。
その「とっさの使い方」は、生物学的に「男性脳」「女性脳」で全く違うため、家庭の中での夫婦の行動が違うのは当たり前のことです。
そういう違いがあることを認め合って、おおらかに接することが大事だと気付きました。
失敗する事でセンスが磨かれる
人間の脳は、失敗して痛い思いをすれば、眠っている間に同じ失敗を起こさないように、脳内が修正される。
そういう失敗で作られる脳内の神経回路で「センスがある」「勘がいい」「発想力や展開力がある」という能力が作られるそうです。
「失敗をするために挑戦する」という気持ちを持って、「正しい失敗の仕方」を身につけたいと思いました。そして、「上手に生きるためのセンス」を磨きたいです。
「どうして?」から「どうしたの?」へ
「どうして、やらないの?」という聞き方は、質問している言葉としては正しいと思いますが、相手は自分の悪さを探して、不快に感じることもあると思います。
「大丈夫、どうしたの?」という聞き方は、気遣いの意味があるため、外的な要因を探して答えることが出来ます。
自分や家族の怠惰ではなく、外的要因のせいにして解決策を考えられるような対話は、家族の信頼関係につながると思いました。
やわらかい言い方、優しい言い方を心がけて、家族関係を良好に出来るようになりたいです。

他にも沢山の素晴らしい考え方、実践的な方法があります。「無邪気さの繭」で包み込む、母親の魔法のお話も感動しました。
まとめ
ウィズコロナの影響もあり、家族関係にストレスを感じている人は多いと思います。
本書は、黒川伊保子さんが人工知能の開発で気付いた知見を踏まえて執筆されていて、家族を優しい関係にするための1冊です。
家族のイライラやすれ違いの具体例から、「脳の個性」を理解しつつ、家族とうまく付き合う実践的な方法を知ると、穏やかで「優しい家族」になれると思います。

家族だから、「言わなくてもわかって当たり前」「何で出来ないんだろう」とは思わず、家族であっても「みんな違ってみんな良い」ということを認め合って、おおらかに接しようと思いました。それだけでも、気持ちが軽くなり、ストレスが軽くなりました。
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