【京都好きにおすすめの本】20代、30代の女性向け、手のひらの京

手のひらの京5.おすすめ小説
著者「綿矢りさ」作品名「手のひらの京」

最年少で芥川賞を受賞した「綿矢りさ」さんをご存じの人は多いと思います。

綿矢りささんは、京都生まれで高校卒業まで京都で過ごしておられた生粋の京都人です。

京都は、世界でも人気の高い観光都市で、平安時代から栄えてきた歴史と文化の都市です。

風光明媚な土地と長い歴史をあわせもつ魅力的な京都、はんなりした京都弁で「いけず」な京都の人、そのどちらも京都との魅力だと思います。

今回ご紹介する本は、綿矢りささんの「手のひらの京」です。京都生まれ、京都育ちの綿矢りささんが描いた、京都で生まれ育った3姉妹の物語です。

  • 長女の綾香さんは、のんびり屋の31歳で、今の生活に満足しながらも結婚を意識している女性です。
  • 次女の羽衣さんは、京都の大手企業に入社した新入社員で、恋愛に忙しく「いけず」にも負けない勝気な女性です。
  • 三女の凛さんは、大学院で研究を続けながら、将来は新天地に羽ばたくことを夢見ている女性です。

京都を舞台に3姉妹の揺れる思いを描いた作品です。

京都をよく知っている綿矢りささんが描いた京都は、京都に住んでいる人から見た祇園祭や大文字焼きに京都らしさを感じますし、登場人物の人柄からも京都らしさを感じる京都好きにはたまらない1冊です。

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綿矢りささんの本を読むのは初めてですが、冒頭の京都を表現した文章から文学性の高さを感じました。

こんな人におすすめ

20代、30代の女性、そして京都好きの人におすすめします。

はんなりとした京都らしさの中に、いけずな京都を感じるストーリーと、20代、30代の女性の揺れる思いが描かれていますので、共感出来るところが多いと思います。また、綿矢りささんの柔らかい表現が京都の良さを引き立てています。

読むとますます京都が好きになる。そんな本です。

今回ご紹介する本

本のあらすじ

京都で生まれ育った3姉妹「綾香さん、羽衣さん、凛さん」の1年を描いた作品です。

4月、大学院で研究している凛さんが、鴨川の河川敷でもの思いにふけっているところから始まります。

新入社員の新人研修で彼氏が出来た次女の羽衣さん、夕食当番でハヤシライスを作っている長女の綾香さんとの日常は、いつもと変わらない毎日でしたが、「子ども部屋」にいる自分に疑問を持ち、いつか羽ばたくことを考えているようです。

長女の綾香さんは、31歳独身で彼氏がいない今に焦りを感じていました。

次女の羽衣さんは、早速できた彼氏の態度に不満を感じながら、同じ会社の女性社員からの「いけず」を勝気に撃退しつつ、恋愛と仕事を勤しんでいました。

三女の凛さんは、大学院で研究しながら、いつか新天地に羽ばたくことを目標に就職活動を行っていました。

3姉妹はそれぞれの揺れる思いを抱えながら、7月には祇園祭、8月には大文字、そして紅葉にクリスマスと月日は過ぎていきます。

京都の四季に包み込まれながら紡がれる、3姉妹の愛おしい物語です。

本を読んだ感想

綿矢りささんの作品を読むのは初めてですが、京都の情景描写の素晴らしさに感動しました。

物語の始まりは、「京都の空はどうも柔らかい」という文章から始まります。凛さんが鴨川沿いで見ていた春の京都の情景が思い出されました。他にも祇園祭や大文字焼きの情景描写も本当に素晴らしく、読み終わると京都に行きたくなりました。

また、今までにない家族と京都らしさの発想に驚きます。「お母さんの主婦定年宣言」「祇園祭の宵山マジック」「京都の伝統芸能いけず」など、お母さんの斬新な発想に驚き、祇園祭は大雨が降って、今年こと祇園祭は中止かな。と思わせて必ず宵山からは雨があがる現象に「そうそう!」とうなづき、「いけず」を京都の伝統技能と表現することに楽しさを感じました。

京都らしさに共感する作品で、綿矢りささんの京都愛を感じました。

まとめ

綿矢りささんの「手のひらの京」をご紹介しています。京都生まれ、京都育ちの綿矢りささんが描いた、京都で生まれ育った3姉妹の物語です。

最年少で芥川賞を受賞した綿矢りささんの小説は、京都の情景描写が素晴らしく、今までにない家族と京都らしさの発想に驚きます。

また、祇園祭や大文字焼きの描写に京都らしさを感じますし、登場人物の人柄からも京都らしさを感じる京都好きにはたまらない物語です。

綿矢りささんが描く京都の3姉妹の物語は、20代、30代の女性、そして京都好きの人におすすめしたい作品です。

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