今が楽しくて、充実していても、「いつ病気になるか」は、誰にもわかりません。
その病気が、死ぬかもしれない病気だった場合、「家族をどうするのか」考えると、誰でも不安になると思います。
生きるための闘病生活は、どのくらい大変なのか、経験が無いからわからないと思います。
「治療が出来ない。」とわかった時に延命治療を受けるのは、どんな気持ちなのでしょうか。

今、健康で毎日忙しくしている時には、自分が病気にかかるなんて、誰も考えられないと思います。 でも、家族の事を考えると、「病気になった時の事」「もし自分に何か起きた時の事」は、考えておくことも大事ですね。
今回ご紹介するのは、二宮敦人さんの「最後の医者は桜を見上げて君を思う」という作品です。
闘病生活の末に亡くなった人の話が3話描かれています。
「生と死」、特に「死までの生き方」について、考えさせられる作品です。
3話とも闘病生活の表現、医者目線、患者目線、そして身内の人の目線がしっかり描かれています。
普段生活していると考えた事が無い、でも、誰でもいつかは訪れる「病気」「死」について、深く考えさせられる作品、二宮敦人さんの「最後の医者は桜を見上げて君を思う」を読んだ感想をご紹介します。
二宮敦人さんの紹介
二宮敦人さんは、2009年に小説家デビューされた作家さんです。
「最後の医者シリーズ」の1作目「最後の医者は桜を見上げて君を想う」は、2016年11月に発刊された作品です。そして2018年4月に発刊されたのが続編の「最後の医者は雨上がりの空に君を願う」になります。
他にも「郵便配達人シリーズ」や「iシリーズ」、そしてベストセラー作品「最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常」等があります。
二宮敦人さんの作品は、登場人物のキャラクターがしっかりしていて、物語がとても奥深くなっていると感じます。そして、文章も読みやすくて、ストーリーがしっかりと入ってくるので、活字が苦手な人にもおすすめしたいです。
今回ご紹介する本
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本のあらすじ
ストーリーは、医学部で同期の先生が3人勤務している病院での話です。
その病院の3人の患者さんの、死までの闘病生活が3話描かれている作品です。
3人の先生のキャラクター
○生きていれば、奇跡が起きる可能性があると考えて、患者を一日でも永く生きさせるための医療を行う、熱血先生。
○死が逃れられないのであれば、死までの生き方は、患者が選ぶべきと考えて、結果的に、延命措置を拒否し、死を選択させる、死神先生。
○人が良く、いつもみんなの事を気にしている、人情先生。
3話のストーリー
○白血病に罹ったサラリーマンの話。
奥さんのお腹には、待望の子供が身ごもっているのに、そのご主人に突然の白血病の宣告からのストーリー。
○筋萎縮性側索硬化症(ALS、筋肉が硬直していく治す方法の無い難病)に罹った大学生の話。
これから大学生活そして、医者になろうとしていた女性に突然ALSが発症してからのストーリー。
○下咽頭癌(喉の癌)に罹った病院の先生
同期の先生を診察中に突然の癌の宣告からのストーリー。
まとめ
自分ならどう決断するか。が考えられない程の辛い現実が、描かれていて、読んだ後、本当に考えさせられてしまう作品でした。
「病気になったら、病院に行って診察してもらう。」でも、病気の知識は無いので、病院の先生の指示に従って、「病気を治す。」のは、当たり前と思っているのですが、その「病気が治らなかった場合」どうしますか。と投げかけられる作品です。
一日でも永く生きると新しい治療方法が発見されるかも知れないし、奇跡が起きるかも知れないので、様々な延命措置を施して、一日でも永く生きる道を選びますか。
苦しくて過酷な治療、莫大な入院費用がかかるくらいなら、延命措置をしないで、死までの生き方を何処で、どう過ごすかを自分で決める道を選びますか。
本当に深いテーマの作品で、読み始めるとすぐに引き込まれて、すぐに読み終わりました。
様々な年代の人におすすめしたい1冊です。
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