東野圭吾さんのマスカレードシリーズは、長澤まさみさんと木村拓哉さんで実写映画化もされている人気作品です。
マスカレードシリーズは、ホテル「コルテシア東京」への潜入捜査で、「人を疑うのが仕事の刑事」と「人を信じて、すべてのお客様に完璧なサービスを提供するホテルのフロントクラーク」のコンビで事件を解決する作品です。
価値観の違いから反発しながらも、お互いの素晴らしさを理解し、警察とホテルが一致団結して、犯罪捜査にあたる好奇心を刺激するストーリーと、緊張感のあるストーリー展開が、最後まで読む人を飽きさせません。

マスカレードシリーズは、今まで3作品発刊されていて、マスカレード・ホテルとマスカレード・ナイトは、どちらも同じ「コルテシア東京」で事件が起こります。
今回ご紹介する「マスカレード・ゲーム」は、マスカレードシリーズの最新作です。
東京で短期間に3つの殺人事件が発生します。当初は別々の殺人事件として捜査しており、その一つの事件を担当していたのが、新田警部です。
新田警部は、過去に「コルテシア東京」の2つの事件を担当した刑事です。(マスカレード・ホテルとマスカレード・ナイトの事件です。)
捜査を進めていくと3つの事件には、共通点があり、連続殺人事件ではないか。と考えられるようになっていきます。しかし、確信がないまま捜査を続けますが、思いがけず「コルテシア東京」に関係者が宿泊していることから、事件は急展開します。そして、事件解決に向けて、再び潜入捜査が開始されます。

事件の真相の奥深さに、読み終わった後しばらく思考が反芻してしまう作品でした。
東野圭吾さんのご紹介
東野圭吾さんは、最初から作家として活動しておられた訳ではなく、大学卒業後は、デンソーに勤務しながら、兼業作家として作家活動を開始され、その後デンソーを退職し、専業作家になったそうです。
日本を代表する作家さんで、初期の作品「放課後」から江戸川乱歩賞に受賞される等、数々の賞を受賞し、映画、ドラマの原作も多数出版されています。
私は、マンガは良く読んでいたのですが、子供が出来てからは、なぜかマンガを読まなくなり、その後「小説でも読んでみようかな」と思ったときに図書館で「放課後」を借りたのが、東野圭吾さんの作品との出会いで、そしてとても好きになりました。
東野圭吾さんの作品は、活字に慣れていない人にも読みやすい作品なので、初めて小説を読もうと思っている人におすすめしたいと思います。
今回ご紹介する本
マスカレード・ゲームの概要
マスカレード・ゲームの舞台も「コルテシア東京」です。2度あることは3度ある。という言葉が思い出される展開です。
短期間に起きた3つの殺人事件は、別々の殺人事件と思われていましたが、3つの事件には「殺害方法」と「被害者はみな過去に人を殺したことがある」という共通点があると考えられました。
しかし、解決の糸口がつかめないまま時間だけが経過していきますが、ある関係者が「コルテシア東京」に宿泊していることがわかり、3つの事件の解決と、新たな殺人事件を防ぐために、新田警部たちは「コルテシア東京」に向かいます。

物語は、二転三転しながら進み、予想できなかった結末を迎えました。最後までドキドキが止まらない作品でした。
本を読んだ感想
東野圭吾さんの作品に「手紙」と「白鳥とコウモリ」という作品があります。殺人事件を犯した犯人とその身内の人生を、リアルに表現した作品で、東野版「罪と罰」と思う作品です。
その2つの作品とは、違うストーリーてはありますが、同じように「罪と罰」を考えさせられる作品で、脳の奥まで刺激される作品でした。
今までのマスカレードシリーズの登場人物は、今回の作品でも活躍されていたのが嬉しくて、その登場人物たちの成長を感じられる部分と、今までと同じがむしゃらさの両方が感じられたのも良かったです。
また、今回の作品で初めて登場する人物の際立ったキャラクターが、今回の潜入捜査を面白くして、緊張感を高めてくれています。
東野圭吾さんのミステリー小説は、二転三転して結末に向かう作品が多く、今回のマスカレード・ゲームも確信が白紙になり、でも諦めず真実に向かうストーリーに惹き込まれて、一気に読みました。

傑作ばかりのマスカレードシリーズに、また1冊加わったと感じました。
まとめ
「マスカレード・ゲーム」は、マスカレードシリーズの最新作です。
シリーズ総決算とうたわれる作品で、好奇心を刺激するストーリーと、緊張感のあるストーリー展開が、最後まで読む人を飽きさせません。
東野圭吾さんのファンの人も、東野圭吾さんの作品を読んだことが無い人も楽しめる作品です。
実写映画で木村拓哉さんと長澤まさみさんが演じた、新田警部と山岸さんの活躍をまた楽しめますので、映画を知っている人にもおすすめしたいと思います。
コメント