「子どもは、学校に行くのが当たりまえ」
という大人の考え方に苦しんでいる子どもは、思ったより多いのではないでしょうか。
「うちの子供は、なぜ学校に行かないのだろう。」
と不登校の子どものことで、悩んでいる親御さんもいらっしゃると思います。
大半の人は「学校に行って大人になります。」でも、学校という環境に馴染めない子どもにとっては、「学校に行くことが苦痛に感じる」と思います。
子ども達にもそれぞれの個性があり、それが人間らしさだと思います。
でも、学校には校則以外にも、とても多くのルールがあるので、そのルールに上手く順応出来なくて、学校に行くのが「しんどい」と感じる子どももいると思います。
今回ご紹介する本は、末富晶さんの「不登校でも大丈夫」です。
末富晶さんは、小学校3年生から学校に行かなくなり、中学校卒業するまで7年間不登校だったそうです。
高校、大学も行っていないそうなので、学校生活を送っていない今年39歳の女性です。
そんな経験の末富晶さんが、自分の体験を1つ1つ順を追って紹介されています。
子ども達が、学校に行きたくない理由は、「馴染めない」「いじめ」等、色々あると思います。
そういう子ども達にとって、「不登校」という選択肢はとても大事なことだと思います。
でも、「不登校」と聞くと、受け入れられない親御さんも多いと思いますが、親にとっては、子ども達が毎日元気でいるのが、一番の幸せだと思います。だからこそ、「学校にいかない」という選択肢を知って欲しいと思い、今回ご紹介したいと思いました。

本書は、「不登校」がテーマの作品ですが、優しくて柔和な末富晶さんの人生観に触れられる作品なので、どんな人でも読むと視界が広がり、人生観に良い変化が起きると思います。
こんな人におすすめ
- 学校に行くことを「重たく」感じている子どもさん
- 子どもが学校に行きたがらない親御さん
「子どもは学校に行くのが当たりまえ」ということに違和感を感じている人、悩んでいる人に読んで欲しいと思います。
末富晶さんの体験とメッセージが、きっと悩みや苦しみを軽くしてくれると思います。
「学校に行けない」ではなく、「学校に行かない」という選択肢があることを知って欲しいです。
今回ご紹介する本
本の内容
学校に行って大人になる人が多い世の中で、小学校3年生から不登校になりそのまま大人になった末富晶さんの体験がまとめられています。
温かく語りかけてくるような末富さんの文章は、生きづらさを抱える子供たちの心に響くと思います。そして、そういう子ども達を育てている親御さんの気持ちも優しく包み込む内容です。
第1章、学校の外の世界へ
第2章、映画とのかかわり
第3章、生け花の世界での学び
コラム、小さな命
第4章、不登校でも大丈夫
第5章、人生の主役の座
末富晶さんは、2000年に松竹映画「十五才、学校Ⅳ」の劇中に使用された詩の原案作家として、映画製作に関わり、今はエッセイストとして、そして生け花アーティストとして、積極的に活動されています。

「不登校でも大丈夫」という言葉は、末富晶さんが初めての講演の時に「みんなに伝えたい」と思った言葉です。
本を読んで伝えたいこと
「不登校」になって一番悩んでいるのは子ども達本人
「小学校に行って、中学校に行って、良い高校、良い大学に行くことが、自分の人生の選択肢が広がって幸せになれる。」という考え方は多いと思います。そんな中で不登校になった子ども達は、「学校に行かない」ことが「将来の不安」と感じて悩むのは当然のことだと思います。
また、「学校に行けない」ことで、親に心配をかけていることも悩んでいたと末富晶さんは、語っておられます。だからこそ、周りの人が温かく見守ってあげることが大事だと思いました。
「不登校」だからこそ社会との接点が大事
学校生活で悩んでいるから「学校に行かない」という選択肢が「不登校」だと思います。
そこで、「学校に行っていないから、家から出て遊んだらダメ」となってはいけないと思います。
「不登校」は悪いことではありません。
「不登校」で学校という社会との接点がないからこそ、他の方法で沢山接点を作ってあげることが大事だと思います。末富晶さんも、同じ不登校の友達と遊んだり、生け花との出会いが大きかったと語っておられます。

他にも「未知の自分に気付く大切さ」「たった1つの私の道」等、沢山のことが学べる素晴らしい本です。
まとめ
「不登校」は、子ども達の学校に行きたくない。という気持ちを尊重することだと思います。
親にとっても「学校に行って勉強しなければ、将来のことに不安を感じる」と思います。でも、子ども達が毎日元気にいてくれるという「親としての一番の幸せ」のために、「学校に行かない」という選択肢があることも知って欲しいと思います。
本書は、小学校3年生から「不登校」になった末富晶さんの体験が紹介されている本です。
「子どもは学校に行くのが当たりまえ」ということに違和感を感じている人、悩んでいる人の悩みや苦しみをきっと軽くしてくれると思います。
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