- もし自分が「HIV陽性(エイズ)」と診断されたら、あなたはその後どんな生き方をしますか。
- もし自分が「ステージ4の癌」で、余命宣告されたら、あなたはその後どんな生き方をしますか。
- もし父親が「認知症」になったら、あなたはお父さんにどんなふうに向き合いますか。

エイズや癌等も医療技術が進歩して「不治の病」ではなく、「コントロール出来る病気」「治る病気」になってきていると聞いています。それでも「重い病気」には変わりないと思います。
〇誰もがかかりたくない。と思う病気があると思います。
〇でも、誰しもがその病気にかかる可能性はあります。
自分がもしくは、家族がエイズや末期癌、認知症になった時に、それからの生活がどうなるのか。どんな治療を行うのか。どんな闘病生活が待っているのか。
そんなエイズや末期癌、認知症に向き合う医療現場が描かれている作品があります。

今回は、闘病生活がリアルに描かれていて、誰でもいつか訪れる「病気」そして「死」について、考えさせられる作品をご紹介します。
二宮敦人さんの「最後の医者は雨上がりの空に君を願う(上下巻)」です。
「最後の医者シリーズ」の「最後の医者は桜を見上げて君を思う」の続編になります。
(参考)「最後の医者は桜を見上げて君を思う」の紹介

本作品は、3人の死が描かれていて、「闘病生活」「死生観」をリアルに感じられる作品で、前作同様、作品に惹き込まれて、すぐに読み終わりました。
そんな二宮敦人さんの「最後の医者は雨上がりの空に君を願う(上下巻)」をご紹介します。
二宮敦人さんの紹介
二宮敦人さんは、2009年に小説家デビューされた作家さんです。
「最後の医者シリーズ」の1作目「最後の医者は桜を見上げて君を想う」は、2016年11月に発刊された作品です。そして2018年4月に発刊されたのが続編の「最後の医者は雨上がりの空に君を願う」になります。
他にも「郵便配達人シリーズ」や「iシリーズ」、そしてベストセラー作品「最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常」等があります。
二宮敦人さんの作品は、登場人物のキャラクターがしっかりしていて、物語がとても奥深くなっていると感じます。そして、文章も読みやすくて、ストーリーがしっかりと入ってくるので、活字が苦手な人にもおすすめしたいです。
今回ご紹介する本
私は、「Amazon kindle unlimited」の読み放題で読みました。Amazon kindle unlimited会員の人、読み放題プランに興味のある人は、「Amazonで見る」からご確認ください。
本のあらすじ
前作品で、同期の医者の死に関わった2人の医者の内、熱血先生は、名ばかりの副院長として、辛い病院勤務を続ける事になります。
もう一人の死神先生は、自分で診療所を開きますが、病院とは到底言えないような診療所で、診療を行っています。
そういう状況で、不治の病の患者さんと向き合います。
第1章、とあるチャラ男の死
「HIV陽性」と診断された男女の話です。
同棲していた男女が、「HIV陽性」と診断されて、そして、二人は分かれます。
別れてからは、二人それぞれの考え方で「エイズ」に向き合います。
それでも前向きに生きていこうとする女性。認めるのが怖くて逃げてばかりの男性。
「HIV陽性」「エイズ」がどういう病気なのか、その病気に立ち向かうとはどういう事か。
第2章、とある母親の死
死神先生こと桐子先生の子供の頃のお話です。
辛いアレルギーを抱えた桐子少年は、「世界から拒絶されて生きている。」と子供の頃から感じていました。
病院で入院している時に、隣のベッドに末期癌の女性が入院してきます。
末期癌で完治も難しいのに、それでも前向きに生きようとする女性から、桐子少年は大事な事を学びます。
第3章、とある医者の死
熱血先生こと福原副院長のお父さんである院長の話です。
認知症になった院長の診療を桐子先生に依頼します。その理由は、お父さんへの復讐です。
でも、そんな福原先生の気持ちまで包み込むように桐子先生は診察します。
桐子先生と福原先生の「縁」も物語に大きく影響します。
まとめ
前作同様、「病気」「死」について考えさせられる作品でしたが、本作品は、さらに「親子愛」「家族愛」の要素が入って、さらに深い物語になっています。
医療は毎日進歩していると思いますが、それでも不治の病は今もあり、そしてその病に立ち向かっている医療現場が、とてもリアルに表現されています。
もし自分がもしくは家族が、エイズや癌、認知症になった時にどうすればいいのか。
その時に、毎日どういう気持ちで生きたら良いか。
という「病気」「闘病生活」そして「死生観」を考えるきっかけになると思います。
私は「死を考える事は、今まで以上に生を考える事になる。それが死生観」だと思っていますので、同じように感じている人におすすめしたいと思います。
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