
「哀しみがあるから人生は面白い」深い言葉だと思いませんか。
これは、「島耕作」で有名な漫画家の「弘兼憲史さん」と「家族という病」等、沢山のベストセラー作品を執筆しておられる作家の「下重暁子さん」の対談をまとめた本のタイトルです。

私は、社会人として正しく生きていくための知識を身につけられる自己啓発本を読むのが好きです。もう一方で、「みんなで楽しく一緒にがんばろう」という考え方を「同調圧力」と感じてしまい、精神的にしんどくなることがあるので、「一人でいる自分」を肯定するような本を読むのも好きです。
今回ご紹介する本は、「社会人としての人生への向き合い方」や、「山あり谷ありの人生で自分らしく生きていく」ための考え方の両方を知ることが出来る本です。
「弘兼憲史さん」と「下重暁子さん」の対談をまとめた「哀しみがあるから人生は面白い」は、弘兼憲史さんの飄々としたノンストレスでバランスのとれた生き方と、下重暁子さんのある意味の「日本女性」というより「グローバルな女性像」を感じる生き方が二人の対談で深く知ることが出来るエッセイです。
弘兼流、下重流の人生の考え方と生き方を知れば、「人生って思ってたより面白く生きていけるな」と思えるようになれます。
「島耕作」の弘兼憲史さんと「家族という病」の下重暁子さんの人生の考え方がわかる「哀しみがあるから人生は面白い」をご紹介します。
こんな人におすすめ
家族のあり方、普段の生活に疑問を持っている人に読んでいただきたいと思います。
「家族はこうあるべき」「不満もあるのが仕事」等、生きているともやもやを感じていることが、スカッとするかも知れません。
今回ご紹介する本
本の内容
2019年12月13日、25日、2020年1月9日に行った「弘兼憲史さん」と「下重暁子さん」の対談録から編集されたエッセイです。
「島耕作」や「人間交差点」等、人生の喜びや悲しみを物語にする弘兼憲史さんと自立している女性の代表のような下重暁子さんとの対談は、「日本人として当たりまえ」「日本の社会はこんな感じ」という既成概念をものの見事に壊してくれるエピソードが沢山です。そして、「じゃどうすればいいの?」と悩んでしまうかも知れませんが、これからの人生を生きるための参考になる考え方も一緒に知ることが出来ます。
本を読んだ感想

本作品は、5章までありますので、それぞれの章で感じたことをご紹介したいと思います。
人は好きなことをやるために生きている/下重流、弘兼流、人生の意味
下重さんの自立した考え方、生き方がよくわかるエピソードが、グイグイと押し寄せてきて、読んでいてとても新鮮でした。
そして、お二人のがむしゃらに生きながら、しっかりとリスクヘッジするラインのようなものを感じることが出来て、これから転職や結婚などの転機を迎える人の参考になると思います。
「人間は我慢するためではなく、楽しむために生きている」という言葉が胸に刺さりますし、これから始まる50代からの人生に活かしたいと思います。
人間のゴールは死。笑ってゴールできたらいい/下重流、弘兼流、理想の介護、理想の死に方
家族はわかりあっている。だから協力して、助け合いながら生きていく。というのも正しいと私は思っていますが、それだけでは解決しない問題、例えば介護の問題等について、新しい考え方を知ることが出来て良かったです。
そして、死を考えることは、生を考えることと同じ、と私も思っています。下重さんと弘兼さんからも同じような考え方を聞けたのが嬉しかったです。
私も笑って人生のゴールを迎えられるよう頑張りたいと思います。
70歳。まだまだこれから/下重流、弘兼流、人生の後半からの逆境の乗り越え方
ノンストレスでバランスの良い生き方。というエピソードが沢山紹介されています。仕事や家庭のことで、悩んでいる人には、一番参考になると思います。
弘兼さんの「まあ、いいか」という考え方、「いい加減なくらいがちょうどいい」という話は、本当に癒されます。
そして、ここでも下重さんの男っぷりが感じられるエピソードが、また胸に刺さります。ひょっとしたら、下重さんのご主人が一番すごいかも、と思いました。
人は年を重ねるほどに自由になる/下重流、弘兼流、年齢に縛られない生き方
年齢を重ねることにより考え方が変わること、普通は考え方が凝り固まって生きそうなのに、逆に若いころよりも柔軟になっているような感じが、新鮮で面白かったです。
特に人間関係の考え方が、今の自分を肯定していただいているような気がして良かったです。
年を取っても面白くて、自由な大人になりたいと思いました。
人は哀しい。だから人生は面白い/下重流、弘兼流、哀しみの美学
お二人の「哀しみ」の考え方が様々な角度から語られています。
- 恋愛と哀しみの関係
- 哀しみと美の関係
- 哀しみと人間の成長の関係
他にも沢山のお二人の美学が感じられて、読んでて本当に面白く、参考になりました。
「喜び100%の人生はない。だからこそ人生を楽しみたい」という弘兼さんのような人になりたいと思いました。
まとめ
背表紙に「哀しみを乗り越えれば楽しいことが待っている」と綴られています。
「哀しみ」と言われるとあまり経験したくないように感じて、避けしまうかも知れませんが、「哀しみ」を乗り越えることは人間の特権だ。と語られています。
これからの人生も山あり谷ありだと思いますが、お二人のお言葉を噛みしめながら、私もノンストレスでバランスの良い人生を送りたいと思います。
「島耕作」が好きな人、人生に悩んでモヤモヤしている人に「弘兼憲史さん」と「下重暁子さん」の対談をまとめた「哀しみがあるから人生は面白い」をおすすめします。

読んだ人は、人生観が変わるかも知れません。
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