
みなさんは東野圭吾さんの「ガリレオシリーズ」のどんな作品が好きですか。
- 「探偵ガリレオ」の心臓だけ腐った死体等、常識では解決できない超常的な事件に挑む作品ですか。
- 「容疑者Xの献身」の天才数学者が小さな家族を守るために実行した難解で解決不可能な事件を解決する作品ですか。
- 「真夏の方程式」の過去と現在が交錯する事件に巻き込まれた少年を、運命に翻弄されないように優しく助けた作品ですか。

他にも「聖女の救済」のような心が締め付けられるような作品や、「沈黙のパレード」の容疑者に思いを寄せたくなるような作品等、沢山の名作があります。
今回ご紹介する「透明な螺旋」は、「真夏の方程式」のように「登場人物に思い煩うような作品」であり、今までの作品には無かった「ガリレオの新たな一面が垣間見える」作品です。
過去と未来が交錯しながら、複雑な人間関係が紡いでいく物語は、悲劇か幸福か。
そして、「ガリレオの真実」によって、ガリレオだけが事件の真相に迫っていく作品ガリレオシリーズ最新作「透明な螺旋」をご紹介します。
東野圭吾さんのご紹介
東野圭吾さんは、最初から作家として活動しておられた訳ではなく、大学卒業後は、デンソーに勤務しながら、兼業作家として作家活動を開始され、その後デンソーを退職し、専業作家になったそうです。
日本を代表する作家さんで、初期の作品「放課後」から江戸川乱歩賞に受賞される等、数々の賞を受賞し、映画、ドラマの原作も多数出版されています。
私は、マンガは良く読んでいたのですが、子供が出来てからは、なぜかマンガを読まなくなり、その後「小説でも読んでみようかな」と思ったときに図書館で「放課後」を借りたのが、東野圭吾さんの作品との出会いで、そしてとても好きになりました。
東野圭吾さんの作品は、活字に慣れていない人にも読みやすい作品なので、初めて小説を読もうと思っている人におすすめしたいと思います。
今回ご紹介する本
「透明な螺旋」のあらすじ
男性の銃殺遺体が千葉の房総沖で発見された事件で、捜査本部が設置されます。
その捜査を担当するのが、ガリレオの友人で刑事係長の草薙さん。そして、同じチームでガリレオとは10年以上の親交がある内海さんです。
殺害された遺体は、行方不明届から身元はすぐにわかりましたが、その後の捜査は思いもよらず難航します。
難航している捜査の中、草薙さんと内海さんは、参考資料の中から意外な人物の名前を確認します。他の刑事であれば、気にする事のないような小さな線から、ガリレオの名前が浮かび上がりました。
協力する姿勢は無いが、捜査の進展を気にするガリレオの行動と、草薙さんと内海さんの捜査によって、過去と現在が交錯する複雑な殺人事件の謎が解明されていきます。
本を読んだ感想
今回の「透明な螺旋」は、複雑な人間関係がテーマになっている作品で、超常現象的な殺人事件を天才物理学者が解決する。というガリレオらしい作品ではなかったです。でも、プロローグから気持ちが惹き込まれていく物語で、本当に読みごたえのある作品でした。
「真夏の方程式」のように過去と現在が交錯しながら、今まで接点がなかった人達が、複雑な人間関係を築いていく、読み始めたら止まらないストーリーで、また「沈黙のパレード」のように容疑者に思い煩う作品でした。

今回一番不可解なのは、ガリレオの行動でした。でも、「ガリレオの真実」がわかると、不可解なガリレオの行動も理解出来ました。
「透明な螺旋」は、今までの作品以上にガリレオしか解決できない。また、ガリレオだからこそ、悲劇が幸運に思えるような解決になった事件でした。
まとめ
ガリレオシリーズは、天才物理学者、湯川学さん、通称「ガリレオ」が事件を解決するシリーズで、超常現象を物理学の知識で解決する一面と、複雑な人間関係を解きほぐして解決していく一面の両方のストーリーが楽しめる作品だと思います。
今回の「透明な螺旋」は、複雑な人間関係を解決していくヒューマンドラマに近いと思いますが、そのストーリーに「ガリレオの真実」が、盛り込まれた作品です。
- 愛する人を守ることは罪なのか。
- 「ガリレオの真実」とは、何か。
「透明な螺旋」を読んで、みなさんにも新たなガリレオを知って欲しいと思います。

ガリレオシリーズ最新作「透明な螺旋」に興味のある方の参考になれば幸いです。
コメント