「手抜き、ずる、怠け」という言葉に、ほとんどの人は、良いイメージは持っていないと思います。
- 「手抜き」は、しなければならない手続きや手間を故意に省くこと。
- 「ずるい」は、自分に有利にするために汚い手を使う、ごまかしたり、だましたりする。
- 「怠け」は、なすべきことをしない、働かない、ずるける。
でも、こんな捉え方もできるかも知れません。
- 「手抜き」だから続くことがある。
- 「ずるい」から追い詰められない。
- 「怠け」の精神が強いからこそ、新しい機械やシステムの開発につながる。
こういう風に捉えると、「手抜き、ずる、怠け」も時と場合によっては、悪くはないかも知れない。と感じてしまいます。
今回ご紹介する本は、曽野綾子さんの「人生の疲れについて」です。
曽野綾子さんは、日本を代表する作家さんで、沢山の小説やエッセイ集を発刊されてます。
その作品は、人生を生きる上で、誰もが直面するような悩みに対して、「曽野綾子さんの人生観」で解決につながるような考え方を提示して、読んだ人に様々な気づきを与えてくれる作品です。
本書は、そんな曽野綾子さんの数々の作品から「人生の疲れ」に対する考え方につながる部分をまとめたエッセイ集です。
「人生の疲れ」と聞くと、生きていくうえで好ましくない感じがしますが、曽野綾子さんは「これ以上進んだら崖から落ちる。というラインの手前で、ささやいてくれるのが、さまざまな疲れだ」と綴っておられます。

冒頭に「手抜き、ずる、怠け」の曽野綾子さんの考え方をご紹介しましたが、本書はさまざまな経験をお持ちの曽野綾子さんの、琴線に触れられる素晴らしい作品です。
こんな人におすすめ
特に女性におすすめしたいと思います。
曽野綾子さんの考え方は、どんな年代の女性にも共感できることがあると思いますし、今の生き方での悩みに対する解決策の気づきにつながる思います。
また、曽野綾子さんの夫婦生活のエピソードは、「なるほど、そういうふうに夫と関わったら良いのか」などの気づきがあると思います。
今回ご紹介する本
本の内容と感想
本書は、今までの曽野綾子さんの作品から「人生の疲れ」につながる部分をまとめたエッセイ集です。
小説・フィクションの16作品から、エッセイ・ノンフィクションの18作品からまとめられていますので、曽野綾子さんの集大成のような作品です。
1.誰の人生も欠け茶碗
2.「手抜き、ずる、怠け」の効用
3.「いい加減」にやっていい
4.自分にも他人にも寛大でいい
5.やたらに欲しがらない
6.人が落ちこむ理由
7.生き方は比べられない
8.諦めれば人生は気楽
9.幸福と不幸の差
章だけでも読み応えがありそうだと、感じていただけると思います。
さらに1つの章で10から15くらいのエッセイがまとめられていますので、さまざまな気付きと共感が得られると思います。
その中でも好きなのが、章のタイトルにもなっている「手抜き、ずる、怠けのススメ」であったり「安心しない毎日を過ごす」は、言葉の意味とは違う見解に共感出来ました。
「お先にどうぞと言える精神」や「相手の立場を考えることができるか」は、生きていくうえで、本当に大切なことに気づかせていただきました。
「老い」に対する考え方として「食べなくなって死ぬのが自然」は、人生の終焉はこういうふうに終えたい。としみじみ思いました。

「失敗した」と悔しがるのも人生の味わい。という言葉は、学生から社会人までみんなに気づいて欲しいと思いました。
まとめ
曽野綾子さんの「人生の疲れについて」をご紹介しています。
曽野綾子さんは、日本を代表する作家さんで、人生を生きる上で、誰もが直面するような悩みに対して、解決につながるような考え方を提示して、読んだ人に様々な気づきを与えてくれる作品を沢山発刊されてます。
本書は、そんな曽野綾子さんの数々の作品から「人生の疲れ」に対する考え方につながる部分をまとめたエッセイ集で、曽野綾子さんの集大成のような作品です。
曽野綾子さんの考え方は、どんな年代の女性にも共感できることがあると思いますし、今の生き方での悩みに対する解決策の気づきにつながる思います。
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