【湊かなえおすすめ小説】30代、40代の女性向け小説|山女日記

山女日記5.おすすめ小説
著者「湊かなえ」作品名「山女日記」

湊かなえさんの作品は、「告白」を初め、思いもつかないストーリー展開で、最後までドキドキする作品という印象がありますが、今回の作品は、湊かなえさんご自身もお好きな「登山」がテーマの作品です。

今回ご紹介する本は、 湊かなえさんの「山女日記」です。

「山ガール」が一時期ブームになりましたが、もっと本格的な登山で作品の中に登場する山も「槍ヶ岳」等、本格的な登山を楽しむ山が多いので、作品名を「山女」としたのは納得です。

短編集8話が、上手に1つの作品になっている連作長編小説です。短編それぞれの面白さが、1つの作品になっているので、読んでいて心地良かったです。

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登山好きの人にも、そうでない人にもおすすめしたいヒューマン登山ドラマです。

湊かなえさんの紹介

湊かなえさん

湊かなえさんは、アパレルメーカー勤務、青年海外協力隊としてトンガ赴任、帰国後は淡路島で高校の家庭科の非常勤講師等、さまざまな経験を経て作家として活躍されておられます。

また、主婦業と執筆活動をこなす素晴らしい人で、2016年にベストマザー賞を受賞されています。

代表作は、2009年本屋大賞を受賞した「告白」になると思いますが、ご本人は「告白が代表作と言われないようにしたい」という思いで、その後も「往復書簡」等のミステリー小説を執筆されておられるそうです。

私が初めて読んだのは「告白」でした。

「胸が締め付けられるような感覚」を感じながら読んだことを思い出します。

今回ご紹介する本

「山女日記」のあらすじ

8話の短編にそれぞれの悩みを抱える山女の人が、それがの思いで登山をします。

突然、ご主人から離婚を宣告された女性、思い描いていた結婚では無いと感じている女性等、悩みを抱える女性が、山を登り、自分に中に光を見出していく作品です。

妙高山

デパートに勤める女性が、アウトドアフェアで販売されていた登山靴に一目ぼれして、登山を始めます。

婚約者との結婚に、もやもやしたものを感じながら妙高山を登ります。

火打山

バブルの頃の華やいだ過去を残している女性が、婚活パーティーで知り合った男性と登山に行きます。

自分の内面をなかなか出せない女性が、火打山を登ります。

槍ヶ岳

集団の登山に馴染めない女性が、ひょんなことから登山初心者の高齢女性とベテランの登山家の高齢の男性と登山をすることになります。

父親との登山にも馴染めなくなった女性が、3度目のチャレンジの槍ヶ岳を登ります。

利尻山

就職も上手くいかず、実家で高齢の父親と暮らす妹が、結婚して幸せな生活をしている姉と登山に行きます。

拭いきれない姉への劣等感を抱えた女性が、雨の中利尻山に登ります。

白馬岳

突然、ご主人から離婚を宣告された女性が、一人娘と妹と登山に行きます。

一人娘の成長を感じながら、自分に何が足りなかったのか、これからどうすれば良いのか。誰にも相談できないまま、白馬岳を登ります。

金時山

富士山を登りたいと思っていた時に、彼氏が勧める山に登山に行きます。

自分の存在があってこその仲良し3人組だったのに、最近自分の存在が小さくなっているようだと悩む女性が、金時山に登ります。

トンガリロ

自分の好きな道に進んで、みんなが喜んでくれる帽子屋さんを営んでいる女性が登山に行きます。

過去に彼氏と一緒に登った山に、今回は一人でトンガリロに登ります。

カラフェスに行こう

利尻山に登った女性が山友達を探しに、山フェスに参加します。

涸沢で開催されるカラフェスを、気持ちの良い女性と楽しみます。

まとめ

先が想像できないストーリー展開と、読んだ後にこれからの女性たちの生活を良い方向に想像させる終わり方が、心地よい作品です。

「山女日記」を読むと、紹介されている山に登りたくなります。

登山の中で、気持ちが整理されていく女性たちの姿から、登山の素晴らしさが伝わってきました。

湊さんの作品は、衝撃的なラストを迎える作品が多いと思うのですが、今回の作品は、力強さを感じる終わり方で、今までの作品以上に読みやすかったです。

今回の作中に出てきた山女の皆さんには、みんなに幸せになって欲しいと思いました。

登山に興味ある人、トレッキングやハイキングに興味がある人におすすめしたいと思います。

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